川内優輝 奇跡の五輪出場へ世陸後タイムアタック 日本新条件も「走る以上は」
日本陸上連盟は28日、世界選手権(9月開幕・ドーハ)の男女マラソン代表各3人を発表した。
男子では今年4月にプロランナーに転向した“元公務員ランナー”の川内優輝(32)=あいおいニッセイ同和損保=が、2大会連続4度目の代表入り。17年ロンドン大会で日本代表からの引退を表明していたが、プロに転向したことで翻意。3月のびわ湖毎日マラソンで2時間9分21秒で日本人2位となり、世界選手権代表有力に。晴れて日本代表復帰となった。
これにより、世界選手権と同時期の開催となる東京五輪代表選考会の9月のマラソン・グランド・チャンピオンシップ(MGC)の出場権を持っていた川内だが、こちらは辞退することになった。
マラソンの東京五輪代表はMGCで自動的に2枠が決まる。川内が仮に東京五輪出場を目指すなら、残る1枠を争うMGCファイナルチャレンジ(19年度の国内主要競技会で2時間5分49秒の設定記録突破者のうち記録最上位選手。いない場合はMGC3位の選手を選出)の可能性。大迫傑の持つ日本記録(2時間5分50秒)を1秒回る厳しいハードルに挑むことになる。自己ベスト2時間8分14秒を6年更新できていない川内には、絶望的といえる条件だが、「福岡、東京、びわ湖は例年通りどこかで走る。走る以上、そういう記録(2時間5分49秒)があるなら狙っていく。そういう水準になれるように頑張りたい」と、可能性は排除せず。
「プロとして自分が思うように調整できる中で、どれだけ成長できるか楽しみ。世界選手権で入賞できれば、もっと欲が出ると思う。自己ベストを狙っていく中で、どこまで届くか」と、奇跡への野心をたぎらせた。