大坂なおみ、これぞ現役1位の底力!元世界1位に逆転星「体より心が問われる試合」

 「テニス・全仏オープン」(30日、パリ)

 女子シングルス2回戦で四大大会3連勝を目指す第1シードの大坂なおみ(21)=日清食品=が元世界ランキング1位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)に4-6、7-5、6-3で逆転勝ちした。2年連続で進出した3回戦で世界42位のカテリナ・シニアコバ(チェコ)と当たる。予選から勝ち上がった奈良くるみ(安藤証券)は、四大大会通算23勝を誇る第10シードのセリーナ・ウィリアムズ(米国)に3-6、2-6のストレートで敗れた。

 元世界ランキング1位で四大大会2勝のアザレンカは、予想通りに手ごわかった。それでも、今の大坂には劣勢をはね返す強さがある。

 「体より心が問われる試合だった」と、耐えて引き寄せた2年連続の3回戦進出。新旧世界1位対決を逆転で制し「2回戦で当たるのは運が悪いと思っていたけど、勝ててうれしい」と赤土のコートに笑顔が映えた。

 動きが硬かった第1セットは序盤から立て続けにサービスゲームでブレークを許し、4-6で落とした。出産から復帰した29歳のベテランがなかなかミスをしてくれず「エースと思ったサーブも返された」

 第2セットも先にサービスゲームを破られ、2-4の窮地に陥った。しかし「相手が疲れるのを待った」と根比べに応じ、リターンやフォアの鋭さも増していった。「過去2度の対戦も役立った」と経験も生かせた。

 初戦から苦戦続きで、第1シードの風格はまだ漂ってこない。だが、破竹の勢いで2連勝した四大大会を含め、ツアーでは通算3勝しか積み上げていない21歳。今日も「挑戦者」の気持ちだった。もろさと爆発力が混在する若さが、魅力でもある。

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