元フジテレビ・田中大貴アナ “生きるパワースポット”白井健三選手の復活待ってます

 プロ野球のみならずスポーツ界全般を幅広く取材してきた元フジテレビ・田中大貴アナが「東京2020」を見据え、選手の素顔や競技の面白さなどを幅広くつづります。

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 「丸刈りルールは、高校卒業するまでは父との約束です!でも…大人になっても結局、丸刈りに近いヘアーかもです。丸刈りが今のところ一番パフォーマンスが出る気がするんですよね…ちなみに今は、ちょっと伸び気味です(笑)」

 以前、スポーツニュースに出演してもらった際に、CMの合間に髪型のことを聞いてみたら屈託のない笑顔で答えてくれました。当時は高校生になったばかり。いつも周囲を笑顔にさせてくれて、パワーを与えてくれて、自分の言葉を持っているアスリート、それが体操の白井健三選手です。

 「体操は“競い合う”のではなく“助け合う、仲間意識”の競技。高校、大学、日本代表…チームメートと一緒という仲間意識の競技。孤独な競技ではなく、すごくいいスポーツ」。白井選手は、孤独な個人競技にも見える体操を、こんな風に表現してくれたことがありました。

 インタビューをしていても常に心に刻まれるような言葉や表現で伝えてくれる、まさに“健三節”を持っている人間。一回りも二回りも三回りも上の大人たちにハッとするような気付きを与えてくれる、モチベーションを与えてくれる…何かまるで“生きるパワースポット”のようなアスリートです。

 いつも神々しいオーラが彼の身体から出ているような雰囲気さえ持っています。常に「自分を一番に信じてあげる」と言って数々のメダルを獲得してきた22歳。しかし10代から体操競技界のトップを走り続けてきた白井選手が、今年はとにかく苦しんでいます。

 「体操が負担になっていると思う時期があった…」と吐露したのは5月のこと。今年は怪我が続き、4月の全日本選手権では個人総合30位。世界選手権選考会でも23位。これまで華々しい活躍を見せてきた彼からは想像も出来ないような順位かもしれません。

 ただ、今は今秋に行われる世界選手権代表入りへ、最後の可能性をかけて6月の全日本種目別選手権で会心の演技を目指しています。仲間意識を大切にしてきた白井選手。必ず、大切にしてきた仲間たちが支えてくれるはずです。そして最後は自分を一番に信じてあげて、演技に挑んでくれるはずです。

 東京五輪の前年となる2019年。屈託のない笑顔で周囲にパワーを与えてくれる白井健三選手が必ず帰って来てくれるはずです。

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