山県亮太が公開練習 サニブラウン、桐生との決戦へ先手必勝「どこまで耐えられるか」

 陸上男子100メートル・18年アジア大会銅メダリストの山県亮太(26)=セイコー=が9日、横浜市内で日本選手権(27日、福岡)に向けた練習を公開した。

 今季はここまで5月のゴールデンGP大阪で出した10秒11が最高。日本人無敗を誇った昨季とは一転して、現状でまだ調子は上がってきていない。6月上旬の布勢スプリントは欠場し、日本選手権に向けての修正の時間にあてた。「今季はずっとスタートで出られていないし、自分の状態が上がってきていない」ともどかしさを抱えつつ、この日もスタートを入念に確認し、調整した。

 日本時間8日の朝にサニブラウン・ハキーム(20)=米フロリダ大=が日本記録を更新する9秒97をマーク。速報ニュースで知ったという山県は「出したなぁ、という感じだった。世界を見据える中で、自分も超えていかないといけない記録。自分も日本記録を出したいと思ってやってきたし、悔しい気持ちもある」と、受け止めた。

 2連覇の懸かる日本選手権では今季好調な桐生祥秀(日本生命)を含め、9秒台での決着の期待も高まるハイレベルなレースが予想されるが「今季これまでの状態を考えると、9秒台といえる立場じゃない。自分は挑戦者。自分のレースを良くしていくことを考えて、やっていくつもり」と、冷静に分析。「なんとかスタートで自分が先行しているイメージが見えればいいなと思ってます。中盤でスピードを上げることができればある程度耐えてくれると思う。サニブラウンくんはそこからの伸びもあるだろうし、桐生くんも今季はラストもしっかり走ってきている印象。どこまで耐えられるか。自分が競り合えるならそのパターン」と、決戦を思い描いた。 10日が27歳の誕生日。「27歳。年齢的にもベテランになる。これまで以上に、経験をいいパフォーマンスにつなげたい。いい意味で年齢を感じてもらえる走りをしたい」と、抱負を語った。

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