平野美宇「ちょっと未来見えた」世界女王に力負けも方向性手応え
「卓球・荻村杯ジャパン・オープン」(16日、北海きたえーる)
女子シングルス準決勝で、世界ランク9位の平野美宇(19)=日本生命=が、世界選手権金メダルの劉詩ブン(中国)に1-4で敗れ、4強で敗退となった。
平野は過去6戦は全敗だった強豪から第1ゲームを選手する快調な出だしを見せたが、相手は世界女王とあって一筋縄にはいかない。「2ゲーム目からサーブを巻き込みに変えてきて対応できなかった。そのサーブへのレシーブは準備してなかった」と戦術を変えてきた相手への対応が遅れ、4ゲーム続けて落として力尽きた。
劉詩ブンは自身と同じ前陣からピッチの早い攻撃を繰り出す「高速卓球」の先駆者だが、戦術の幅や判断力で差を見せつけられた。「相手が変えてきたときにどう対応するかという判断がよくなかった。ちょっとでも守りたい、リードを保ちたいという意識が良くなかった」と反省点を挙げた。
ただ、中国オープンからの3連戦目で日本勢唯一の4強に入り、「ちょっと未来が見えたかな」と希望を見いだした様子だ。
4月の世界選手権では早く攻撃を仕掛けるだけでなく、ラリーにも持ち込みながらチャンスボールを見極める新機軸をテーマに持ちながら8強入りと再起のきっかけをつかみ、中国トップ選手が相手でも一方的にやられることは少なくなってきた。
「(今大会)終わってみれば自信がついたというか、よくなっている。(以前は)未来が全く見えなかったんですけど」と話し、「中国トップ選手とやっても厳しいかなと思っていたけど、もうちょっと変えたらチャンスがあるかもと思える」と、強化の方向性には手応えをつかんだ模様だ。
年末まで続く五輪代表レースで世界ランク日本勢上位2人が東京五輪シングルス代表となるが、現在は3番手。「2枠に入りたいので、もっと上を目指して、ぶっちぎりで(五輪に)いけるくらいの気持ちでやりたい」と気合を入れた。