運命のNBAドラフト目前 八村にとっては通過点「ただの会議。入ってからが大事」

 明日20日(日本時間21日)に行われるNBAドラフト会議で史上初めて日本人の1巡目指名が確実視されているゴンザガ大の八村塁(21)が19日(同20日)、ニューヨーク市内のホテルで記者会見を行った。全体1位指名最有力のザイオン・ウィリアムソン(デューク大1年)ら将来有望な“選ばれし20人”の中の1人として出席し、現在の心境などを語った。

 落ち着いていた。各選手が事前に用意されたブースに座り、メディアの質問に応じる形式の30分間のインタビュー。会場に入るなり、自分のブースに集まった50人近くの日米報道陣を見て驚いたふうな表情を見せた八村は、席に着くと周囲を見渡し、「こんにちは」と軽くあいさつした。

 重低音の声に緊張や高揚はない。現在の心境を問われると、「やっと、ではないですけど、なんか不思議な感じで、気持ち的にすごい何とも言えない感じなんですけど、いろいろ一日忙しくていろんなことやってるので、いろんないい経験してるなと思います」と話した。

 NBAではこれまで田臥勇太、渡辺雄太の2人の日本人選手がプレー。ドラフト会議では81年に岡山恭崇がウォリアーズから8巡目全体171番目に指名(プレーせず)されているが、日本人が1巡目指名でNBAでプレーするのは史上初だ。歴史的快挙を前にした八村は日本バスケットの世界規模の歴史の浅さを指摘しながら現在、グリズリーズでプレーする渡辺やNBAマーベリックスのミニキャンプに参加した母校・富山県奥田中の先輩でもある馬場の名前を挙げ、「そういう人がどんどん増えてきてる中でドラフトされることはうれしいですね」と笑みを浮かべる。

 この日の会見同様、会議当日も1巡目指名有力選手だけが招待されるグリーンルームで待機することが決まっている。「大きいことだと思うので、楽しんで、モーメント(瞬間)をしっかり味わっておきたい」。すでに心の準備はできているようで日本のバスケット、いや、日本のスポーツの歴史において快挙となる日を「ただの会議なので、ただ(名前を)呼ばれて、(NBAコミッショナーと)握手するという、ただのミーティング」、「メディア的にはいいんじゃないですか。僕的にはNBAに入ってからどうやるかっていうところを大事にしている」と話すなど、“通過点”であることを強調した。

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