八村塁「バカだったんで信じてやってきた」NBAへの道 中学の恩師の言葉が現実に

 米プロバスケットボール、NBAのドラフト会議が20日(日本時間21日)、ニューヨークのバークレイズセンターで行われ、八村塁(21)=ゴンザガ大=が1巡目、全体9位でウィザーズから指名を受けた。日本人選手が1巡指名を受けるのは史上初の快挙。ザイオン・ウィリアムソン(18=デューク大)が同1位でペリカンズから指名された。

 八村が初めて「NBA」という言葉を聞いたのは生まれ故郷の富山県でバスケットボールを始めた中学生の時だ。奥田中の恩師、坂本コーチから「お前はNBAへ行くんだ」と言われたという。

 「中学校で(バスケット部)に入って、本当に何もできない、バスケをしたことのないような子を見て、どうやって『お前はNBAに行くんだ』って言ったのか。しかもコーチはジョークでもなんでもなかったですし、本気で言っていた。僕も最初は『NBA』がなんだか分かってなかったですし、でもそう言ってくれたから、僕もそのときは子供、バカだったんで、それを信じてやってきた」

 ドラフト会議前日の記者会見で八村が明かした“秘話”。「考えられないですね、今、考えると」。その才能を見抜いた坂本コーチとその言葉を信じ抜いた八村。「中学校は本当に楽しかったですね。コーチもすごくいい人で。よく格言みたいに言われたのが『一生懸命を楽しむ』。そういうところから始まったから僕もバスケを続けられたし、楽しいなと思ってやってるんじゃないかなと思います」。二人の間にある固い絆。夢から目標へ、目標から現実へと変わっていった。

 バスケットをする子供たち、特に外国人を親にもつ子供たちにとって八村は憧れの存在だ。

 「僕のこういうストーリーを知って、そういうふうに思ってくれてるのはすごくありがたいです。僕の一つの夢というか、目標というのは子供たちに影響を与えることなので、そういう子供たちがいるのはすごくうれしいです」。

 指名直後の記者会見で坂本コーチの言葉を口にして「コーチ、ホントにやりましたよ!」と海の向こうで喜ぶ恩師にメッセージを送った八村。「ここに立ってることが本当に夢みたいで、信じられないですね」。夢に向かって突き進み、ついに歴史を動かした八村はこれからも子供たちの夢であり続ける。

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