八村塁「夢みたい」ウィザーズ入りへ NBA日本人初1巡目全体9位!

 左襟に日の丸バッジをつけて会場入りした八村(中央)=撮影・小林信行
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 米プロバスケットボールNBAのドラフト会議が20日(日本時間21日)、ニューヨークで開かれ、日本代表のエース八村塁(21)=米ゴンザガ大=がウィザーズから日本人初となる1巡目、全体9位で指名された。新人の年俸は指名順に応じて基準額が設定されており、八村の年俸は1年目から4億5千万円超の見通し。新たな歴史を刻んだ日本バスケット界の「宝」が、スター街道を歩んでいく。

 3年前に単身で海を渡った若者が歴史を動かした。

 「ルイ・ハチムラ、フロム・トヤマ・ジャパン、ゴンザガ・ユニバーシティ」

 米東部時間20日午後8時31分。アダム・シルバー・コミッショナーの声が響き渡る。全体9番目、ウィザーズによる指名に会場が小さくどよめく。「夢みたいでした」。満面の笑みで立ち上がった八村が、同じテーブルで待機した家族と熱い抱擁を交わす。初めて日本人が立つステージ。インタビューで日本国民へのメッセージを求められると、照れ笑いを浮かべながらこう叫んだ。

 「皆さん、やりました!日本人初、NBAです!」

 富山県奥田中で初めてバスケットを知った。宮城県明成高で名をはせた。さらなる高みを目指し、米の強豪・ゴンザガ大へ進学を決意した。上級生となった今季は主力として活躍。1巡目が確実視される中、大方の予想は11位以下。ところが、下馬評を覆す1ケタ指名だ。周囲の驚きをよそに指名後の会見で八村は「全然、想定内のこと」とさらり。「チームにインパクトを与えるつもりでやるんで、これからが楽しみです」と自信をみなぎらせた。

 勝負服に自身のアイデンティティーを込めた。ベナン出身の父と日本人の母を持つ。えんじ色を基調にしたジャケットの裏地は右側に富士山と白波の浮世絵模様が、左側にはアフリカの伝統的デザインが描かれている。「僕はハーフとして日本で育ってきた。僕の根本」。左胸にまぶしく光る日の丸のピンバッジは「世界で見られているので、僕の日本の国をしっかり見せなきゃいけないなと思って」と説明した。

 一夜明けた21日に本拠地ワシントンDCで入団会見に臨む。チームは「ブレッツ」と名乗っていた77-78年シーズンを最後に41年間、優勝から遠ざかっている。

 「自分はチームの助けになれると思う。とにかく、チャンピオンになりたい。それがここでやり遂げたい唯一のことです」

 早くも優勝宣言。八村が新たな目標に向かってまい進する。

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