体操世界代表残り2枠は神本と橋本 白井は届かずリオ五輪金メンバー不在の事態に
「体操・全日本種目別選手権」(23日、高崎アリーナ)
世界選手権(10月開幕、シュツットガルド)代表最終選考会を兼ねて、決勝が行われた。男子は団体貢献度により、残り2枠が決定。つり輪、平行棒などでポイントを稼いだ神本雄也(24)=コナミスポーツ=と、あん馬などで貢献度の高い高校生の橋本大輝(17)=市立船橋=が選出され、13年の白井健三(22)=日体大大学院=以来の高校生代表となった。
リオ五輪団体金メダルメンバーの白井は、得意のゆかでは14・900点で3位となり、7連覇を逃した。跳馬は5位、鉄棒は8位だった。春先の左足首故障の影響による4月の全日本、5月のNHK杯での出遅れも響き、世界切符には届かず。13年以来の連続世界大会代表は6年連続でストップした。
今年の世界選手権は個人総合枠で決まっていた谷川航(セントラルスポーツ)、翔(順大)兄弟と、萱和磨(セントラルスポーツ)に、神本と橋本を加えた5人で挑むことになり、近年の体操ニッポンをけん引してきた16年リオデジャネイロ五輪団体金メダル組が不在となる事態となった。
大黒柱の内村航平(リンガーハット)は両肩痛の影響もあり、4月の全日本でまさかの予選落ち。08年北京五輪から続いていた代表入りが11年連続で止まった。田中佑典、加藤凌平、山室光史(コナミスポーツ)も本来の状態を取り戻せておらず、代表争いに絡むことができなかった。
五輪経験者はおらず、世界選手権を経験しているのも谷川航と萱のみとなった選手構成。水鳥寿思男子強化本部長は「世界は今まで日本を引っ張ってきたのは内村選手、白井選手だと思っていると思う。今の日本を問われる大会になる。いない中でエースを育てて、若い選手が経験を積んで来年に繋げたい。1人1人の選手が得意種目で役割を果たして、世界にアピールできるかが大事。結果も求めたいが、それよりも来年(東京五輪で)勝つためにどういう準備ができるか」と、話した。大きな変動期を迎えた体操ニッポン。10月の世界選手権で、国としての底力が問われることになる。