朝原宣治氏も賞賛 サニブラウンV…条件最悪で20秒35はすばらしい記録
「陸上・日本選手権」(30日、博多の森陸上競技場)
世界選手権(9月27日開幕・ドーハ)代表選考会を兼ねて行われ、男子200メートル決勝はサニブラウン・ハキーム(20)=米フロリダ大=が20秒35(向かい風1・3メートル)で優勝した。2年ぶり2度目の2冠を達成し、100メートルに続き、200メートルでも代表に内定。悪条件に日本人初の19秒台はならなかったが、2度目の短距離2冠は生駒一太(1947、49年)、豊田敏夫(77、79年)に続く史上3人目の快挙となった。
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サニブラウン選手は、もう少し圧勝するかと思っていました。4日間開催ということで、意外とコンディションが難しかったのかもしれません。
あれだけ雨が降り、地面も濡れていただけに影響を受けています。雨で向かい風でしたから、条件としては最悪です。みなさん19秒台を期待していただけにガッカリかもしれませんが、20秒35はすばらしい記録です。
スタートは決まりました。ただ、4レーンということで少し回りにくそうでした。カーブのきつくないアウトなら、また違った展開になっていたかもしれません。今は100メートルのスピードが上がっているので、もっと前半のコーナーでのスピードが上がるはずが、今日は上がりきりませんでした。
19秒台については、全米大学選手権を20秒08で走っています。ものすごく元気な状態で、普通のコンディションなら出るでしょう。
世界選手権は決勝を狙える位置にはいます。ただ、100メートルは速い選手がいるし、200メートルも今年は速い選手がいます。100メートルの選手で200メートルを兼ねる選手も出てくるし、簡単なことではありませんが、可能性は十分にあります。
今回は100メートル、200メートルとも1~3位が同じ選手でした。見応えがあり、スプリントの底上げができているという印象を受けました。そのことに頼もしさも感じています。(08年北京五輪男子400メートルリレー銀メダリスト、「NOBY T&F CLUB」主宰)