サニブラウン「虎のように速く」“虎柄”ユニに猛虎魂点火 代表内定10人発表
日本陸上連盟は1日、福岡市内で9月に開幕する世界選手権(ドーハ)のトラック&フィールド代表選手発表会見を行った。前日まで行われた日本選手権で内定した10人を選出。男子100、200メートルで2年ぶりの2冠を達成したサニブラウン・ハキーム(20)=米フロリダ大=は、100メートルでは日本初のファイナリスト&メダル獲得に照準を定めた。残る選手たちは参加標準記録の有効期間である9月6日までの世界ランキングなどにより選考される。
次は世界に“牙”をむく。サンライズレッドと黒が基調となった代表ユニホームに身を包み、会見場に登場したサニブラウンは「ぱっと見、虎みたい。虎のように速く駆け抜けたい」と、“猛虎魂”で世界選手権に挑むことを宣言した。
日本選手権では雨と風の悪条件に、日本記録の更新こそならなかったが、他を圧倒するパフォーマンスで2年ぶりの2冠を達成。フロリダ大に進学して2年。自らが進んできた道の正しさを証明してみせた。“開拓者”としての思いは強い。
「日本では前例のない挑戦。陸上だけじゃなく勉強も大変だけど、視野が広がった」
将来の夢の1つにスポーツエージェントを挙げた。「陸上を通して、日本、米国の懸け橋になりたい」。同じく高校卒業後に米国の大学に進み、日本人で初めてNBAドラフト1巡目指名を受けた八村塁についても「競技は違うけど刺激になる」と話し、「下の世代が憧れだけじゃなく、自分もできると思って挑戦できる道を切り開いてあげたい」と熱く語った。
世界選手権では100メートルで日本人初のファイナリスト、そして東京五輪代表に内定となる表彰台をも視野に入れる。18歳で挑んだ17年大会は準決勝で敗退したが、さらなる進化を遂げた今は「準決勝で9秒台を出せば、決勝に行ける」。夢物語を現実に変える。サニブラウンの後に、道はできる。