井村雅代HC 西野朗氏に助言「自分の指導方針をへし曲げてまで行く必要はない」
アーティスティックスイミング日本代表の井村雅代ヘッドコーチ(68)が5日、プラチナエイジ特別賞を受賞し、都内で授賞式に出席。サッカー日本代表前監督・西野朗氏(64)がタイ代表監督就任を報じられていることについて触れ、海外で指導にあたる際の心構えなどを自身の経験を交えて語った。
井村HCは過去、2008年北京五輪で中国代表のコーチを務め、初のメダル獲得に導くなど、海外での指導経験も豊富。同じアジア圏からのオファーがあった西野氏に対しては「自分の指導方針をへし曲げてまで行く必要はない。その国に自分の指導方針が合うかどうか。呼ばれることに価値があるのではなくて、そこの選手を強くすることに価値がある」と助言した。
また井村HCは過去に米国からヘッドコーチの誘いがあったことを明かし、「体重のコントロールで選手を作っていくのが私の方針だから、(体重に対する選手へのアドバイスが)裁判沙汰になったら、私がしたい一歩が踏み出せない」と文化の違いを説明。「そんなところに行ってもなにも発揮できない。自分の指導方針を発揮できるバックグラウンドのあるところに行くべき」と持論を語った。
海外で結果を出すことの難しさは、選手のみならず監督やコーチも同じ。井村HCは「結果を出せなかったら『はい、さよなら』。日本じゃなかったら言葉も通じない。期限を決められた中で結果を出す」と自身の経験から学んだことを明かした。