八村伝説幕開け 強烈ダンク&14得点で日本人初ドラ1が鮮烈デビュー
「NBAサマーリーグ、ウィザーズ84-79ペリカンズ」(6日、ラスベガス)
日本人初のドラフト1巡目新人、ウィザーズの八村塁(21)がペリカンズとの初戦に先発出場し、約33分半で14得点、5リバウンドの鮮烈デビューを飾った。力強いプレーで観客を沸かせ、84-79の勝利に貢献した。ペリカンズの一員として途中出場したBリーグ・栃木の比江島慎(28)と同時にコートに立つ場面もあった。グリズリーズとツーウエー契約を結ぶ渡辺雄太(24)はペーサーズ戦に先発出場し、Bリーグ・A東京の馬場雄大(23)はマーベリックスの一員としてロケッツ戦に途中出場した。
ドラフト1巡目の片りんを見せつけた。出場時間は両軍最長の33分36秒。「5対5はしばらくやってなくて、こういうふうにコートに戻ることができて、すごい今日はやってて楽しかったです」。八村の顔からこぼれる笑みがすべてを物語っていた。
黒を基調に蛍光色のピンクとイエローのアクセント。右足と左足の色が異なる奇抜なデザインのシューズが人目を引いた。試合前の練習中にコートサイドのファンに話し掛け、テレビ局の取材にも気軽に応じた。“デビュー戦”とは思えないほどリラックスしていた。
学生最後の試合となった3月30日、NCAAトーナメント準々決勝以来の実戦。開始1分6秒、ゴール下でパスを受け、“プロ初得点”をマークしたが、その後は6本連続外した。「前半は感覚を戻すという感じだった」。4カ月のブランクは否めなかった。
不安定な攻撃を守備でカバーした。第2Q3分と5分、立て続けにブロックショットさく裂。「ディフェンスはすごい好き。プライドを持ってる部分はある。いいところを見せられてよかった」。バランスを崩して床に体を打ちつける魂のプレーに客席が沸いた。
自分で「ハイライト」に選んだのは第3Q残り4分20秒のプレーだ。ゴール下に走り込み、Gフィリップに要求したパスに宙を舞った。豪快なアリウープダンクで会場をどよめかせた。
感慨に浸った時間もあった。ペリカンズの比江島と第2Qで“競演”した。一緒に日の丸を背負い、W杯予選を戦った同志。
「今まで日本人がNBAでこういうふうにコートに立つことはなかった。大きな瞬間だった」。
18分間で2得点だった前半から一転、後半は16分間で12得点を稼ぎ、「ミスも多かったんですけど、決めるところは決められたんでよかった」と八村。サマーリーグのチームを指揮するパックコーチも「ハードにプレーしていたし、しっかり試合を組み立てていた。とてもよかった」と称賛の言葉を贈った。
グリズリーズの渡辺の活躍には「僕ももっと頑張ろうと思えるのがいいですね」と八村。次戦は8日のネッツ戦。背番号「8」がさらにギアを上げる。