アマボクシング日本代表 異例の3連続高地トレ…疲れにくい体作りで五輪メダル獲りへ
東京五輪へ向けてアマボクシングでは異例の高地合宿が国内で行われることが10日、明らかになった。標高1000メートルの高原地帯に位置する蔵王坊平アスリートヴィレッジ(山形)で7月20日から10日間、男子の世界選手権(9月、ロシア)代表ら12選手が集結する。今年1月には標高約2000メートルの米国・コロラド州でも有力選手の合宿を行っており、継続的な高地トレーニングで疲労回復機能を高める計画だ。
五輪実施が決まったボクシングが、12年ロンドン五輪の村田諒太、清水聡以来のメダルを目指して新たな取り組みに挑む。陸上長距離、競泳など持久力系競技で取り入れられることが多い高地トレーニングの導入は、日本代表を指導する強豪ウズベキスタンの元代表コーチ、ウラジミール・シン氏の発案。トーナメント式の長丁場では疲労回復は大きな課題だが、低酸素状態のトレーニングは最大酸素摂取量が上がり、疲れにくい体をつくることができる。
合宿場所の蔵王坊平アスリートヴィレッジは国内に2カ所あるナショナルトレーニングセンター(NTC)高地トレーニング強化施設の一つで、標高3500メートル相当まで環境整備できる低酸素宿泊施設が特徴。トレーニング室、トラック、クロスカントリーコースと施設は充実している。
日本ボクシング連盟は今年1月に標高約2000メートルの米国・コロラド州で合宿を行い、7月の蔵王、さらに8月には福島・会津若松市の標高800メートル付近での合宿も予定。継続的な高地トレーニングは異例だ。菊池浩吉事務局長は「ジャパンとしてのチームワークづくりも大きな目的」と説明。厳しい環境の中、一丸で東京のメダルを目指す。