宇野、超異例の今季メインコーチなし 複数コーチからいいとこどり

 フィギュアスケート男子で2018年平昌五輪銀メダリストの宇野昌磨(21)=トヨタ自動車=が今季はメインコーチ不在となることが15日、明らかになった。この日公開された全日本強化合宿(愛知県豊田市・中京大アイスアリーナ)で宇野が「僕一人でやっていく」と明かしたもの。1シーズンをメインコーチがいない状況で戦うことは異例となる。

 厳しい道をあえて選んだ。宇野は「今季はメインコーチを決めるつもりはない。僕一人でやっていくと思う」と明かし、「所属がないからいろんなところが見られる」と前向きに説明した。

 今年6月に5歳のときから師事してきた山田満知子、樋口美穂子両コーチの下を離れた。その後、平昌五輪女王のアリーナ・ザギトワ(ロシア)らを指導するロシア人のエテリ・トゥトベリゼ・コーチの下、夏季合宿に6月13日から約1カ月参加。今後は中京大を中心に、02年ソルトレークシティー五輪4位の本田武史氏にジャンプの指導を受けつつ、9月にはスイスで06年トリノ五輪銀メダルのステファン・ランビエール氏の指導を仰ぐなど新たな可能性を模索する。

 恩師の言葉が耳に残る。古巣を離れた理由の一つを「満知子先生から、家族のような関係の中で今までやってきたので、環境を変えてもいいんじゃないかと言われた」と宇野。「一人でも結果を落とさない。それが満知子先生と美穂子先生のためになる」と腹をくくっている。

 異例の“単独シーズン”を日本スケート連盟もバックアップする。小林芳子フィギュア強化部長は「リンクに一人で立たせることはできないので、チームリーダーや他選手のコーチなど、試合は連盟でサポートしたい」と話していた。

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