アーティスティックスイミング五輪全4種目でメダル逃す 井村HCはスタンド観戦敢行
「水泳・世界選手権」(19日、光州)
アーティスティックスイミング(AS)のチーム・フリールーティーン(FR)決勝で、日本(乾、吉田、福村、木島、京極、塚本、柳沢、安永)は93・3667点の4位に終わった。ASの五輪4種目を全て終了し、今大会はメダルなし。世界大会でのメダルなしは13年世界選手権(バルセロナ)以来となった。
日本の祭りをテーマとするFR。浅草の三社祭をはじめ、青森のねぶた祭など全国のさまざまな祭りの音源を使用した演技で会場を魅了した。エースの乾友紀子(28)は「点数より何より、最後に自分たちがどんな演技を残して帰れるかが大事だと思った。100パーセント以上の力を出そうと思ってやった」と振り返ったが、またもメダルには届かなかった。
この事態に、井村雅代HC(68)は“定位置”の壇上ではなく、観客席から日本を含め、出場全12カ国の演技に熱視線を送った。「この流れは変えられない。何かを得て帰りたかったので、1つの賭けに出ました」と説明。1978年に代表チームのコーチとなって以来、初めてのことだという。
「勉強になりました」と井村HC。2大会連続のメダルへ「(ここから1年間)的外れなことはしたくなかったんで。とにかく行くしかない。(時間は)あってもなくてもやるしかない」と話した。
日本は五輪初採用の84年ロサンゼルス大会以来メダルをとり続けてきたが、08年北京五輪のチームでメダルを逃すと、12年ロンドン五輪ではメダルなしに終わった。しかし16年リオ五輪ではデュエットもチームも銅メダルを奪還。世界選手権は、17年大会はチームTRで、15年大会はデュエットTRとチームTR、FRで銅メダルを獲得している。