男子エペ ルール理解不足で敗戦 一度は勝利確信も暗転
「フェンシング・世界選手権」(21日、ブダペスト)
男子エペの日本(宇山、加納、見延、山田)が今年から改正されたルールの理解不足のためにイスラエルとの3回戦で敗れる不手際があった。順位決定戦では9、10位決定戦に進み、カザフスタンに45-44で競り勝った。
あまりに痛い、ルールの理解不足だった。男子エペの日本がいったんは選手もコーチ陣も勝利を確信し喜んだが暗転。エースの見延和靖(ネクサス)は「もったいないというか、悔しいというか…」と唇をかんだ。
メダル獲得も期待された男子エペの日本は、3回戦で世界ランキングで格下のイスラエルと対戦。20-26の劣勢から登場した見延が追い付き、日本に流れを引き寄せた後だった。34-34で補欠の宇山賢(三菱電機)が投入されたが、両者とも無理に攻め合わず、四つ目の指導を受けて35-35の同点のまま試合が終わった。
通常は世界ランキング上位のチームの勝ちとなるが、「補欠を起用した場合はそのチームが負け」との規定の記述を見逃していた。想像もしていなかった敗戦に宇山は泣き崩れた。
今年から改正され、国際連盟が「おそらく初めて」とする珍しい例ではあるが、言い訳にはならない。イスラエルの選手は「こっちの勝ちだと知っていた」と語った。
来年の東京五輪出場に大きく関わる重要な舞台で甘さが露呈。福田佑輔強化本部長は「みんなが100パーセント理解していなかった。私の責任でもある」と猛省した。