瀬戸大也 混戦制し銀メダル 東京五輪まであと1年の節目の日に自己ベスト更新
「競泳・世界選手権」(24日、光州)
競泳男子200メートルバタフライ決勝で瀬戸大也(25)=ANA=が自己記録を更新する1分53秒86で銀メダルを獲得した。同種目では前回の銅に続き2大会連続。クリシュトフ・ミラク(ハンガリー)が1分50秒73の世界記録で優勝した。瀬戸は男子200メートル個人メドレーでは1分57秒10の全体3位で25日の決勝へ進んだ。女子200メートル自由形の白井璃緒(19)=東洋大=は1分57秒14で8位。東京五輪で新採用される混合400メートルメドレーリレーの予選で日本は失格となり、今大会での五輪出場枠獲得を逃した。
混戦の2位争いを瀬戸が制した。150メートルを4位でターンすると、一気に加速。自己ベストを0秒17更新する1分53秒86でタッチした。「きつかったけど練習の成果が出た。うれしいです」と瀬戸。隣のレーンを独走し世界記録を更新した19歳のミラクとガッチリ握手。日本で一緒にすしを食べた“弟分”には「アメージング」と伝えて健闘をたたえ合い、手を挙げ声援に応えた。
前回大会で銅メダルを獲得したこの種目。昨年末には短水路(25メートルプール)での世界記録も更新したが、さらなる進化を求めて試行錯誤を続けてきた。
カギは呼吸。これまで2かきに1度だったが、より体力を温存し後半も強いキックを打ち続けられる毎回呼吸も試してきた。ただし毎回の場合、呼吸時に抵抗がかかりやすくなる。最終的に今まで通りの2かきに1回を選択したが「毎回呼吸をやったことでキックの強化にもなった」と瀬戸。あえて挑戦したことで得た成長だった。
銀メダルを獲得した約40分後には200メートル個人メドレー準決勝に出場し、3位で決勝進出。底力も証明した。
東京五輪までちょうど1年の節目の日。発表された五輪のメダルを見て「めちゃくちゃ欲しいです!」と語気を強めた。そのために「この試合でできることをしたい」。残る200、400の個人メドレーではさらに輝くメダルを取りに行く。