北島康介氏、東京五輪の男子200m平“2分5秒台の争い”予想 渡辺の銅は「価値ある」
「競泳・世界選手権」(26日、光州)
男子平泳ぎ200メートル決勝で、日本からは世界記録保持者だった渡辺一平が2分6秒73で銅メダルを獲得した。しかし、優勝したアントン・チュプコフ(ロシア)は2分6秒12で渡辺の世界記録を更新した。ハイレベルなレースを見届けた同種目で五輪2大会連続金メダルの北島康介氏は、「価値ある記録とメダルだと思う」と渡辺をたたえつつ、2分5秒台の争いが視野に入った東京五輪についても言及した。
世界新が飛び出したレースを「出ると思ってたレースじゃない?3人が世界記録レベルでレースしないと勝てないと分かっていたと思うし」と振り返った北島氏。率直に「面白いね。見応え有るよね。一平の気持ちになったらたまらないけど、彼も自分のレース展開を色々試して、経験も豊富になってきて、世界で戦う、力を出し切るって面では今回1つ大きく皮がむけたのかなと見ていて思った」と感想を語った。
東京五輪についても「2分5秒台とか考えながらやっていかないといけない」、「ライバルがたくさんいるっていうのが、糧になってこの1年どう過ごすかが大事になると思う」など、今後1年のトレーニングで結果が左右されるとの見方を示した。
渡辺が勝つ方法をたずねられると、「僕が言える立場じゃないんで…」と恐縮しつつ、「2分6秒が3人居るって魅力的だよね。そこでやれるってのがすごい、高いレベルでやれるのがいいなって思うし、やることだけを集中してやるんじゃない?」。自身の“後継者”に対して「(渡辺が)6秒6出したとき、5秒出そうだなって感覚だったので、そこにはまたトライすると思う。今回3番で、前回も3番。1個ずつとは言わず、ステップアップして1番高い表彰台に乗ってるところが見たいなと思う」とエールを送った。
また、金メダルのチュプコフは、前半の100メートルまでは最後尾の8番手で力を蓄えていた。150メートルを終えた時点でも5番手で、最後の50メートルで31秒89とラストスパートを決めた。「オレからしたら地獄だよね。ぶっちぎってくるわけでしょ?最後。最初から焦らない、あのメンタルは強いと思う。これだけ、6秒出す選手がいる中で、決勝はちょっと100上げたけど、最後、上げられるのは素晴らしい。(先行する立場から見て)逃げ切るのと違って、見えないから。非常に不気味」と北島氏ならではの視点で感想を語った。