【柴田亜衣のゴールドアイ】渡辺選手、最後50メートルの力つけば6秒台前半も
「競泳・世界選手権」(26日、光州)
競泳の男子200メートル平泳ぎ決勝は渡辺一平(22)=トヨタ自動車=が2分6秒73で2大会連続の銅メダルを獲得した。アントン・チュプコフ(ロシア)が渡辺らが保持していた世界記録を0秒55上回る2分6秒12で2連覇した。
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渡辺選手は積極的でしたし、自分が思い描いているレースができたのではないでしょうか。自己ベストに0秒06と迫るタイムでしたし、来年につながるレースでした。最後の50メートルを泳ぎ切る力がつけば、2分6秒台の前半もいけるでしょう。
予選、準決勝のベストが2分8秒台だったので、調子が悪いのかな、と思っていました。そこをしっかり修正したのですから自信にもなります。収穫のある、意味のあるメダルと言えます。
世界記録を塗り替えられましたが、気持ちの面では楽になるかもしれません。渡辺選手は五輪や世界選手権のタイトルを取ったことがないものの、世界記録保持者として見られていました。本人がどう思っているか分かりませんが、少なからずプレッシャーを感じる部分もあったのではないでしょうか。
自国開催の五輪へ、挑戦者として臨むことができます。いい泳ぎができて、気持ちもリセットされました。そういう意味でも、来年が楽しみです。(04年アテネ五輪女子800メートル自由形金メダリスト)