永瀬貴規が復活V「さらに自分に自信ができた」 元王者が五輪代表争いに名乗り
「柔道・グランプリ大会」(27日、ザグレブ)
男子81キロ級で16年リオ五輪銅メダルの永瀬貴規(25)=旭化成=が決勝で12年ロンドン五輪3位のアントワヌ・バロワフォルティエ(カナダ)に一本勝ちして優勝した。同73キロ級の立川新(東海大)は5位。女子63キロ級の鍋倉那美(三井住友海上)は決勝でリオ五輪女王のティナ・トルステニャク(スロベニア)に延長の末、指導3による反則負けを喫して準優勝。同70キロ級の大野陽子(コマツ)は1回戦で一本負けした。
強い永瀬が戻ってきた。長身のバロワフォルティエを切れ味鋭い足車で背中から畳にたたきつける。約2年半ぶりの国際大会制覇だった今月上旬に続くGP大会優勝で「さらに自分に自信をもつことができた」。17年10月の右膝手術から復活を印象付け、元世界王者が東京五輪代表争いに名乗りを上げた。
3回戦では昨年世界選手権3位のトルコ選手を退け、決勝は世界王者のモラエイ(イラン)を破って勝ち上がった相手に一本勝ち。次々と難敵を倒し、価値ある頂点だ。
手術後は「もがき苦しんだ」と明かす。自分の感覚と体の動きにずれが生じ「練習で良くても、試合だと自分の柔道ができない」日々が続いた。それでも3位のリオ五輪を忘れられず「あの悔しさをかみしめて試合に臨んでいる。東京では金と強く思っている」と燃えたぎる。
現時点で昨年の世界選手権81キロ級2位の藤原崇太郎(日体大)を追う立場に変わりはない。「与えられたチャンスをものにしたその先に、東京五輪がある」。逆襲はここから始まる。