瀬戸大也2冠…北島超え通算4個目の金 ダイヤモンド級の輝き放ち東京五輪にも内定
「競泳・世界選手権」(28日、光州)
競泳の400メートル個人メドレー決勝で、男子は瀬戸大也(25)=ANA=が4分8秒95で優勝、200メートルとの2冠を果たし、両種目で東京五輪代表入りを決めた。1大会2冠は日本勢では2003年大会の北島康介以来。世界選手権で通算4個目の金は北島を抜いて単独最多となった。女子は大橋悠依(23)=イトマン東進=が4分32秒33で銅メダル。400メートルメドレーリレーは午前の予選で男女とも東京五輪の出場枠を獲得。決勝では男子が4位、女子が6位だった。
肩で大きく息をした。懸命に逃げ切った瀬戸が圧巻の泳ぎで2個目の金メダル。「死ぬかと思いました」というほど全てを出し切った。場内インタビューでは「カムサハムニダ(ありがとう)」と韓国語で答え大歓声。予選で前回大会個人メドレー2冠のライバル、ケイリシュ(米国)が敗退し「決勝は一人旅します」と“金宣言”しただけに、「最低でも最高でも金と思っていた。しっかり達成できた」と胸を張った。
主将として獅子奮迅の働きを見せた今大会。200メートルの金メダル獲得でチームを勢い付けたことはもちろん、決勝レース翌朝の男子800メートルリレー予選への急な出場打診も嫌な顔一つせず受け入れた。13年、15年もリレーを泳いだ2日後に金を取っただけに「疲れも抜ける。いいゲン担ぎ」と話し、暗くなりかけたチームを盛り上げた。リレーでは19歳で男子最年少の吉田に「楽しめ」と声を掛け続けた。結果はもちろん、チームの精神的支柱として貢献した。
1大会2冠は03年の北島以来日本勢2人目。大会通算金4個目、1大会個人3個のメダル獲得も日本人最多となる。同種目3度目の金メダルはロクテ、フェルプス(ともに米国)らを超えた。「公介(萩野)もチェイス(ケイリシュ)もいなかった。取って当たり前。このラッキーをつかめたのは1年頑張ったご褒美」と控えめに語ったが「チャンピオンはすごくうれしいこと。この称号を来年も譲らないように」と早くも気合を入れた。
1年後の東京五輪でも、期待されるのは日本のエースとしての活躍。「水泳を辞めたくなるくらいのトレーニングが積めたらいい結果が待っている。タイムを出したかったので、自分にカツを入れて1年頑張りたい」と瀬戸。キング・オブ・スイマーとして、頂点は譲らない。