瀬戸 ライバル萩野へ痛烈エール「あと1枠でピリッとするんじゃないか」

 韓国・光州で行われた水泳の世界選手権で、競泳男子で200、400メートル個人メドレー2冠を達成し、東京五輪代表に内定した瀬戸大也(25)=ANA=らが29日、羽田空港に帰国した。エースとして、主将としての役割を全うした瀬戸は、改めて1年後に迫った東京五輪での金メダルを誓った。また、間もなく休養から復帰するライバル萩野公介(24)=ブリヂストン=へ、力強いエールを送った。

 幼き日から鎬(しのぎ)を削ってきたライバルへ、力強く、そして痛烈なエールだった。個人メドレー2冠で両種目の五輪代表に内定した瀬戸。代表枠は2。残りのイスは1つしかない。「あと1枠で、ピリッとするんじゃないかと思う。メッセージ的にはいいものになったんじゃないかと」-。言葉にはしない。ただ、思いを読み解くなら、こうだろう。

 “待ってるから、必ず代表に入ってこい”

 自身は代表を逃したロンドン五輪で、萩野が高校生ながら銅メダルを獲得する姿を見て、奮起した。萩野は近年モチベーションに苦しみ、今季は3月に休養を発表。約3カ月の充電期間を経て、8月2日開幕のW杯東京大会(辰巳)で復帰する。「東京五輪で複数種目での金メダル」を目標に帰ってくる好敵手に、今回の瀬戸の結果は最高の刺激になったはずだ。

 ライバルの完全復活を心待ちにしつつ、自身はさらなる研さんを積む。今大会では4月から導入した耐乳酸トレーニングが効果を発揮。先行し粘りきる必勝パターンを確立した。「今まで避けてきた」というこの練習法を、継続する覚悟。「あと1年みっちりやれば、もっとタイムは伸びる」と、うなずいた。

 今回任された主将という大役も「また任せてもらえるなら。結果も出たし、自分にとって縁起がいい」と本番での続投に意欲を見せた。見据えるのは、まだ届いていない夢舞台での頂点。「今回は通過点。五輪で金メダルを獲ってこそ」。ライバルに、そして過酷なトレーニングに磨かれ、ダイヤはまた輝きを増す。

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