GP決勝苦杯の原沢久喜「あそこから引っこ抜かれるとは…」海外勢の規格外パワー痛感

 柔道男子100キロ超級でリオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜(27)=百五銀行=が30日、グランプリ(GP)ザグレブ大会を終えて羽田空港に帰国。“絶対王者”テディ・リネール(フランス)が大会直前になって出場を見合わせた中、決勝での不覚の一本負けで準優勝に終わり、海外選手の規格外のパワーを改めて痛感した様子だった。

 決勝は延長戦に突入した後、19歳のザアリシビリ(ジョージア)にクロスグリップ(肩越しに帯を持たれる体勢)で密着されると、プロレス技のブレーンバスターのような力ずくの帯取り返しを食らい、125キロの体を強引にひっくり返されてしまった。痛恨の一本負けを喫した原沢は「正直あそこから(体を)引っこ抜かれるとは思っていなかった」と想定外だったことを明かし、「また新たに対策が必要」と反省しきりだった。

 その直前には自身の小内刈りによる「技あり」で試合を決めたかに思えたが、ビデオ判定で取り消された直後の失陥。気持ちが切れた一瞬の隙を突かれただけに、「終始自分のペースで試合を進められたが、最後ああいう形でやられて。外国人選手の力強さ、一撃を持っているなと改めて感じた」と肝に銘じた。

 ただ、今回準優勝したことで世界ランクは4位に上昇。世界選手権(8月25日開幕、日本武道館)のシード権を獲得した。「そういう目的で出場したので、そこはよかった」とうなずき、「日本人選手にはなかなかないような(今回食らった)組んでからのああいう技とか、パワーが強い柔道にも対応できるようにしたい」と大一番に向けた最終調整への課題を明確にした。

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