大相撲夏巡業が１１日、仙台市で行われ、左肩と右膝の負傷で離脱していた大関栃ノ心（３１）＝春日野＝が合流した。今巡業は初日から栃ノ心、豪栄道、高安、貴景勝と４大関全員が負傷のため不在だったが、後半、ようやく１人が加わった。

　若い衆、十両、幕内力士と当たりを受け、押させて患部の状態を確認。取組にも入り、関脇御嶽海（出羽海）をつり出して、観客を沸かせた。

　途中休場した先場所後、治療とリハビリに専念。温泉では朝、晩２度、４０分も入って体の回復に努めた。「痛みは少しは良くなった。稽古をしないと、どこまで力が入るか分からない」と、まだ相撲を取る段階ではないものの巡業に参加した。

　秋場所（９月８日初日、両国国技館）は３度目のかど番。「少しずつ鍛えないと、やばい」と危機感。「昔は稽古がなくなるとうれしかったけど、今は稽古ができないのが悲しい。無理してやると痛くなる。２０代に戻りたい。戻れるなら序ノ口でもいい」と悲壮感を漂わせた。

　巡業部長で師匠の春日野親方（元関脇栃乃和歌）は「（巡業に）参加していないと不安になる。（体は）ちょっとぷよぷよしている。ばちっとしたところがないな。本人がやれるだけのことをやると言っていた。稽古をやっていないと自信にならない。ぶつかりを受けるのはいいけど、自分からぶつかるのはどうかな」と、今後も慎重に段階を踏んでいく。