クライミング世界選手権が開幕 最後の世界選手権・野口が貫録の全完登で準決へ
「スポーツクライミング・世界選手権」(11日、エスフォルタアリーナ八王子)
ボルダリング女子予選が行われ、昨年大会銀メダリストで、4度のW杯総合優勝を誇る野口啓代(30)=Team au=は5課題すべてを完登し、予選B組1位で各組上位10人が進む13日の準決勝進出を決めた。
伊藤ふたば(17)=Team au=が5課題中4課題を攻略。そのうち3課題を“一撃”と呼ばれる一発クリアで好調ぶりを見せつけ、B組2位、18年W杯総合女王の野中生萌(22)=XFLAG=は3完登のB組8位で通過。別組だった倉菜々子(19)=ウィルスタッフ=も5完登のA組3位で準決勝に進んだ。
野口は最初の課題こそやや苦戦したものの、B組唯一の全完登で突破。東京五輪での引退を表明しており、これが最後の世界選手権。「全部の課題を登りたいと思っていた。絶好調というわけではないけど、とりあえず目標達成」と、上々の滑り出しに笑顔を浮かべた。
五輪切符の懸かる18日からの複合に向けて、得意のボルダリングで波に乗りたいところ。引退のカウントダウンが始まったことを聞かれると「なんか死にそうな感じですね」と笑いながら、「悔いの残らないように、毎日いい思い出を作りたい」と、力を込めた。