野中、クライついた 満身創痍でもエースの意地「ぎりぎり」8位で決勝進出

 「スポーツクライミング・世界選手権」(18日、エスフォルタアリーナ八王子)

 東京五輪と同形式の3種目による複合の女子予選が行われた。昨年のボルダリングW杯総合女王の野中生萌(22)=XFLAG=は、両肩に不安を抱える中で意地を見せて8位となり、上位8人で争う20日の決勝に進出した。今大会のボルダリング銀メダリストの野口啓代(30)=TEAM au=が2位、リードで銅メダルの森秋彩(15)=茨城県連盟=は5位、伊藤ふたば(17)=TEAM au=が6位で通過。決勝で7位以内の日本人最上位が東京五輪代表に内定する。

 エース野中が苦しみながらも五輪切符獲得に向けて、なんとか踏みとどまった。上位8人による決勝に8位で進出。「最高です。本当にぎりぎりだった」と笑顔を見せた。両肩に故障を抱え、この日もボルダリングで悪化させた左肩をテーピングで固めていた。満身創痍(そうい)だったが「諦めなくて良かった」と胸をなで下ろした。

 最初のスピードでは1回目の試技でホールドに足をうまく置けず落下。「焦りはあったけど、ミスするかもしれないというマインドを殺して本気でやりました」と挑んだ2回目では、8秒994をたたき出し5位。「後がない中で、8秒台を残せたことはつながる」と、好タイムにガッツポーズを繰り返した。

 ボルダリングでは、左肩に負担がかかる第2課題に苦戦。「もろに左肩にくる課題だった。押し切らずにやめました」と冷静に自身の状況を見極め、その他3つの課題をクリアして6位でまとめた。最後のリードは14位。各種目の順位を掛け算したポイントは420点で米国選手と並んだが、上位種目が2つあった野中が上回った。

 20日の決勝では、7位以内の日本人最上位選手が五輪代表に決まる。けがを抱える厳しい状況に変わりはないが「日本開催で日本人が4人残って、これ以上面白いファイナルはない」と、楽しめる余裕も出てきた。

 予選の8位も受け止め、「順位もこれ以上落ちることはない。私はもうできることを全力でやるだけ。ただ上を見て頑張りたい」。魂を込めた登りの先に、夢舞台はある。

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