リーチ主将「毎試合勝つ」未踏の8強へ…その先に優勝がある W杯開幕まで1カ月
ラグビーW杯日本大会は9月20日の日本-ロシア戦(味スタ)で開幕する。1カ月前となる20日に向けて、フランカーのリーチ・マイケル主将(30)=東芝=が日本代表合宿地の北海道網走市内で取材に応じた。3月に痛めた恥骨の炎症から復活した闘将は、7月末からのパシフィック・ネーションズ杯(PNC)で全勝優勝に貢献。1次リーグ3勝を挙げた前回15年大会と比べチーム力の向上に自信があり、目標には一戦必勝を掲げ、史上初の8強進出、そして4強、さらに頂点まで見据えた。日本代表は19日は網走市内で2部練習を行った。
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-W杯開幕まであと1カ月。4年前のこの時期とくらべてチームの手応えは。
「今の状態の方がいい。チーム力は4年前より上がっていると思います」
-4年前になくて今ある強みは。
「自主性が大きく違う。選手主導のミーティングをやって、連携がかなり強い。4年前はエディー(・ジョーンズ)コーチが言ったことをひたすら一生懸命やる。今回のチームはある程度のことをスタッフが提示して、細かくやっているのは僕ら。(6、7月の)宮崎合宿で変わった。選手主導でやった方が、質が高いしフリーに話せる」
-自信を持ってW杯を迎える。
「負けるとしたら自分たちのせい。相手が強い、速いで負けることは想像していない。やろうとしたことができなくて負ける、というのが敗因になる。だから、この合宿が本当に大事。細かい作業を、さらに細かくして徹底的にやる」
-相手の強さが言い訳にならない。強くなったからか。
「PNCで、いつもやられていたフィジー、トンガにも勝った。フィジカル的にも、走る力も、戦術も相手より上回っている。あと埋めないといけないのは意識、潜在意識で上回らないといけない」
-「優勝が目標」と話していた。今は。
「毎試合、勝つ」
-優勝ではなく?
「優勝を狙えるぐらいチームを作りあげて、1試合1試合勝ってベスト8にいく、ベスト8で勝ってベスト4。このプロセス。このチームはベスト8になったことがないが、それが終わりじゃない。勝っていくのが目標」
-リーチ選手個人としての4年前との違いは。ここまで3月に痛めた恥骨の炎症の影響で長く練習できない時期があった。実戦も7月末のPNCからだった。
「ちょっと前に、自分の4年間と今の映像を見比べたら、今の方がデカいし、パワーも上がってタックルスキルも上がっている。PNC3試合で調子も上がってきている。あとは南アフリカ戦に出れば、トップに近い状態に持っていける」
-練習できない時期に不安はなかったか。
「正直あった。自分から『(W杯に)出ない』って言わないといけないなと思った」
-不安がなくなったのはいつ。
「試合に出てから。練習ができるようになって、アピールの場が増えてきて、自信がついた。まったく試合、練習に出ずにW杯だけ出るのは不可能だと思っていた」
-キャプテンとして、ジョセフHCとの関係はどう変化して、どう熟成したか。
「最初の頃は2人の間でゴチャゴチャは正直あった。ミーティングでも言い合うこともあった。でもそこで初めていい関係が作れる。お互い(考えを)曲げないところもある。どのタイミングか分からないけど、2人でうまく同じページを見られるようになった」
-8月29日にW杯メンバー31人が決まって、9月6日に南アフリカ戦。どういう試合にしたいか。
「勝つ。勝って自信をつける。勝つことでいろんなチームにインパクトを与える。“日本は強い”。そう思わせたい。僕らはホーム。アウェーでの試合は難しい。相手がびびった状態でやってきて、プラス応援がある。少しでも早く相手の心が折れたら勝ちになる」