「スポーツクライミング・世界選手権」（２１日、エスフォルタアリーナ八王子）

　東京五輪と同形式の３種目による複合の男子決勝が行われ、ボルダリング王者の楢崎智亜（２３）＝ＴＥＡＭ　ａｕ＝が複合では日本人初となる金メダルを獲得。日本連盟が定めた基準を満たし、来年の東京五輪代表に内定した。原田海（２０）＝日新火災＝が日本勢２番手の４位となり、五輪参加資格を獲得。楢崎智の弟の楢崎明智（めいち・２０）＝ＴＥＡＭ　ａｕ＝は５位に終わった。

　楢崎明は最終種目に得意のリードを残して日本人２番手となったが、中盤で落下し３番手に転落。つかみかけた五輪出場資格を逃した。目標としていた表彰台もかなわず「すごいチャンスを逃してしまった」と嘆いた。

　ただ、自信につながる大会だった。「兄弟で五輪は諦めてた部分があったけど、僕でも可能性があるのかな」。試合後、兄・智亜に「強くなれるよ」とエールをもらい「絶対強くなってやる」と成長も誓った。

　世界の頂点に立った兄も弟の五輪出場は「全然あると思う。僕が鍛え上げる」。兄弟五輪に向け、鍛錬する。