荒磯親方が最後の綱打ち「力士として最後と思うとさみしい」

新しい綱を締める荒磯親方
3枚

 大相撲の元横綱稀勢の里の荒磯親方(33)が24日、都内の田子ノ浦部屋で最後となる「綱打ち」を行い、引退相撲(9月29日、両国国技館)に向け、真新しい綱を作った。

 部屋や一門の若い衆が集まり、若者頭や世話人が「ひい、ふの、み」と勇ましくかけ声。「自然と早く目が覚めて自然と部屋に足が運んだ」と言う荒磯親方も9時過ぎには部屋に駆け付け、綱打ちを真剣な表情で見守った。約2時間半をかけ、最後の「綱」2本が完成した。

 荒磯親方は久々に綱を締め、長さ、太さをチェック。「いいですね」と満面の笑みを浮かべた。「ちょうどいい太さ、感触。ありがたい」と感激した。

 17年初場所で初優勝し、場所後、日本出身では19年ぶりとなる横綱に昇進。日本中が稀勢の里フィーバーに沸いた。あれから2年7カ月、最後の綱打ちに「初めて綱を締めた時を思い出す」と絶頂時を思い感慨に浸った。

 左大胸筋の負傷などケガに泣き、今年初場所で引退。「横綱としては活躍できず、毎回、綱打ちは晴れやかじゃなかったけど、きょうは久々に晴れやかな気持ち」と、笑みを浮かべた。

 断髪式を行う引退相撲まで約1カ月。「(綱打ちは)次はないからさみしい。ちょんまげが無くなるのは力士として最後と思うとさみしい。できればずっと現役でやりたかったのが自分の思い。さみしい。あっという間だった。1カ月もあっという間。ちょんまげを続ける日々を大事にしたい」と、さみしさもにじませた。

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