新井千鶴3連覇ならず涙「何やってんだろう」 安定女王が3回戦で敗退の波乱
「柔道・世界選手権」(29日、日本武道館)
女子70キロ級は2連覇中の新井千鶴(25)=三井住友海上=が3回戦でポルトガル選手に優勢負けで敗れ、メダルなしに終わった。
3連覇を目指した新井が、3回戦でポルトガル選手に敗れる波乱だ。開始から1分、払い巻き込みで技ありを奪われると、残り時間で逆転することができなかった。「やってきたことを出し切れなかった自分に、何やってんだろうという気持ち」と、おえつの中で言葉を絞り出した。
昨年11月のGS大阪を制して今大会の代表に早期内定。十分な調整時間を得て頂点を狙ってきた。しかし、格下に先手をとられると、十分時間が残っていたにもかかわらず、繰り出す技が決まらなかった。
自国開催のプレ五輪はたった2試合で終わった。2年連続世界ランキング年間1位の安定女王がはまった落とし穴。日本女子の増地克之監督は「技術面より精神面。何が何でも取り返してやろうという気持ちがなかった」と分析した。来年はさらなる重圧が待ち受ける。新井は「そういうところで勝ってこそ真のチャンピオンだと思う」と涙をぬぐった。