内村航平4カ月ぶり復帰戦は83・900点 あん馬痛恨落下も代名詞の着地が復調
「体操・全日本シニア選手権」(30日、福井県営体育館)
4カ月ぶりの復帰戦となった五輪個人総合2連覇王者の内村航平(30)=リンガーハット=は、6種目合計83・900点(床14・800点、あん馬12・600点、つり輪13・450点、跳馬14・400点、平行棒14・450点、鉄棒14・200点)だった。
両肩に不安を抱えて臨んだ今季は4月の全日本選手権でまさかの予選落ち。11年ぶりに日本代表の座を逃した。全日本後は肩の治療に励みながら、今大会を目標に調整してきたが、2週間前にぎっくり腰を発症。万全ではない中で迎えた再起戦だった。
復活の気配を漂わせたのは1種目目の床だった。高速の回転をピタリと止める。これぞ内村という着地を決め続け、14・800点の高得点をマークした。続くあん馬では中盤の旋回が乱れ、痛恨の落下。つり輪では、全日本のように気持ちを切らすことはなく、着地をピタリと止めたが、その後、腰を気にする姿があった。
跳馬ではシューフェルトを成功。出来栄えを示すEスコアで10点満点中9・2点を記録し、14・400点で踏みとどまると、全日本で左肩を悪化させた鬼門の平行棒も、安定した演技でまとめた。最終種目の鉄棒ではコバチ、カッシーナ、コールマンの離れ技を抜群の高さで決めた。直後の旋回が乱れたが、最後の着地はしっかり決めきった。全種目終了後は、やや疲れた表情で腰をポンポンと叩いていた。