山下泰裕会長「リスクとって勝負を」100キロ超級V逸の原沢久喜に叱咤
「柔道・世界選手権」(1日、日本武道館)
全日本柔道連盟の山下泰裕会長(62)が大会最終日の1日、取材に応じた。個人戦で前回の男女合計7個を下回る4個の金メダル獲得となった日本代表の戦況について、「海外の選手はどうやって日本選手に自分の柔道をさせないかをよく研究している。昨年、一昨年と比べるとなかなか組ませてもらえない」と感想を述べた。
特に五輪では08年北京大会以来金メダルを逃している男子100キロ超級の再建が日本の積年の課題。今大会はリオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜(27)=百五銀行=が準決勝で前年王者のトゥシシビリ(ジョージア)に一本勝ちするなど健闘したが、決勝のクルパレク(チェコ)戦では組んでもなかなか技を出せず、先にスタミナが切れて指導3による反則負けを喫した。
山下会長は「私から見ると決勝は原沢選手らしさがなかった」と分析。「勝った負けたではなく、もっとチャレンジャーとして向かっていく、思い切り攻める気持ちを出してほしかった。そうしたら相手も圧力を感じる」と話し、「攻めることはリスクはあるが、リスクをとって勝負に出ないと勝利はつかめない」と、最後は腹をくくる重要性を説いた。
1年後の東京五輪に向けては各階級でさらなる厳しい戦局が予想される。山下会長は「自分の夢に向けて思い切りチャレンジしたら結果はついてくる。最高の準備をして、失敗を恐れず果敢にチャレンジしてほしい。そうすれば(見ている人にも)夢や感動を感じてもらえる大会になる」と大きな期待を込めた。