「大相撲秋場所」（８日初日、両国国技館）

　二所ノ関一門の連合稽古が２日、都内の尾車部屋で行われ、右膝負傷で先場所全休し大関から陥落した関脇貴景勝（２３）＝千賀ノ浦＝が関取衆との申し合いで５番取って１勝４敗だった。

　この日も右膝だけでなく痛めていない左膝にもテーピングを施し万全の構えで臨んだ。

　最初の一番、小結阿炎（錣山）には左から強烈ないなしで圧力勝ちしたが、その後は４連敗。幕内阿武咲（阿武松）に押し勝てず連敗。パワー自慢の幕内玉鷲（片男波）にも押し込めず、屈した。

　８月３１日の横綱審議委員会の稽古総見では低い当たりから一気の出足で３勝２敗と復調を見せたが、この日は引く場面も目立った。番数も５番にとどまった。

　視察した元小結で相撲解説者の舞の海秀平氏は「とても厳しい。立ち合いの当たりも戻っていない。起こされた時に踏ん張れない。まだ関取衆と稽古するところまで戻っていないのかな。膝の状態に意識があり、立ち合い、集中力を研ぎ澄ますところまでいかないのでは。（横審総見の時は）思った以上に足を運べていたので戻ったと思ったけど。稽古総見の時の相撲を信じたい」と不安がった。

　師匠の千賀ノ浦親方（元小結隆三杉）は「ちょっといまいち。番数もまだまだ。関取とやる時に怖さが抜けないのかな。多少、怖い部分があるのか」と、及第点とはならなかった。

　本人には悲観はない。場所前から徹底的に鍛えてきており、疲労もピーク。「すごい良かった。膝は日に日に良くなっている。残り６日だしここから強くなることはない。自分の力を出すコンディションに努めていく。稽古場じゃない。稽古場がいいから本場所がどうとかはない。結局気持ち。全然悪くない」。強気に自信を持ち本場所を見据えた。