サニブラウン 世界陸上は100M専念で200回避 体の負担考慮 リレーにも注力
9月下旬に開幕する陸上の世界選手権(カタール、ドーハ)の男子100、200メートルで代表に内定していたサニブラウン・ハキーム(20)=米フロリダ大=が、個人種目は日本記録を持つ100メートルに専念することが7日、分かった。この日、山梨県富士吉田市で公開されたリレー代表合宿の中で、日本陸連の土江寛裕五輪強化コーチが明かした。
200メートルは17年世界選手権で市場最年少決勝進出を果たした種目だが、土江コーチは7月にフロリダ大のホロウェイコーチと会談し、「まだ20歳で体も100、200、リレーの3種目をやるには体の成長の最中。100メートル1本に絞って、200メートルを回避するということだった」と、陣営の意向を聞いたという。
金メダルの期待が懸かる400メートルリレーでも主力としての期待がかかるサニブラウンだが、これまでリレーの練習にはなかなか参加できておらず、リレー代表デビューもできていない。7月にリレー代表が参戦したロンドンDLにも当初は参加予定だったが、2冠を達成した日本選手権後に、背筋と太もも痛を発症し、欠場となっていた。
200メートルを回避することで、日程面の余裕が出たため、100メートル終了後から、400メートルリレーが始まるまでの間を、バトン練習にあてる予定。土江コーチはこの日、3走を前日本記録保持者の桐生祥秀(日本生命)、アンカーをサニブラウンにする意向を示した。1走には今季日本歴代2位の9秒98をマークした小池祐貴の起用が有力となり、2走は今季成長著しい白石黄良々、リレー経験豊富な多田修平、ケンブリッジ飛鳥が候補となる。
照準となるのは、銀メダルを獲得したリオ五輪でマークした37秒60の日本記録超え。土江コーチが「(サニブラウンは)日本にとって欠かせない存在。個人でも世界のメダルを狙える」と話すエースを融合させ、“リレー侍”にとって悲願の金メダルを狙う。