【東京へ駆ける・原晋監督】五輪切符獲得へ4人の教え子にエール
東京五輪の男女マラソン代表選考会「グランドチャンピオンシップ」(MGC)は、15日に東京・明治神宮外苑発着コース(男子8時50分、女子9時10分スタート)で行われる。31人が出場する男子には、近年の大学駅伝界をけん引する青学大出身の橋本崚(25)、一色恭志(25)=ともにGMO、神野大地(25)=セルソース、藤川拓也(26)=中国電力=の4人が名を連ねている。2位以内で代表に内定する注目のレースに向け、青学大を率いる原晋監督(52)が教え子たちへ期待を寄せた。
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-MGCに4人の教え子が出場する。期待も大きいのでは。
「4人とも期待していますけど、一番の期待は橋本崚と神野大地の2人だな。ピックアップするなら、この2人の対決です。ある種、ライバルなんです」
-2人は同学年になる。
「橋本は箱根駅伝を走っていないんです。すべて神野の2番手だったんです。4年生のときはギリギリまで橋本を使う予定だったのが、神野が12月下旬に復活して、走れるかどうか分からない状態だったけど、私は神野にかけました」
-橋本の悔しさは相当なものがあるのでは。
「その悔しさはものすごいものがあって、悔しさをバネにして実業団で勝負をしているんです。その結果として、(一色、藤川を含めた4人の中で)最初に(今年2月の別府大分毎日で日本勢2番手の5位になり)MGCの出場権を獲得したのは、箱根を経験していない彼なんですよね。だから、特に『神野には絶対に負けたくない』、という熱い思いでマラソンにチャレンジしています」
-その思いが代表切符獲得へつながるかもしれない。
「最終的にはハートの強い男が勝ち上がるので。あいつは暑さにも強いし、好調をキープしています。(所属する)GMOアスリーツの代表としても頑張ってくれるのでは、と思います」
-プロランナーの神野については。
「五輪にかける思いは強いんです。(2018年4月30日付で)コニカミノルタという大企業、立派な会社、伝統のある部を捨てて、一人で頑張っているんですよね。愛されキャラで、そういった中でスポンサー企業や走る環境を自ら準備して取り組んでいる姿を、私は応援してあげたいです」
-藤川も狙ってくるのでは。
「大学時代はメンタルが弱かったんですけど、そのことを自分で感じてくれているんですね。だから、自分でメンタルトレーニングを取り入れています。周りから『メンタルトレーニングがいいよ』、と聞いてやっているのではなくて、自分自身が弱いことを認めて、それで取り組んでいる。要は客観視しているんですよね。そういったところが強くなったな、と思うんです」
-4人の選手の中で一番年上になる。
「4人の中でも先輩、(主将を務めた2015年の箱根駅伝の)初優勝組ですから。意地を見せてほしいですよね」
-一色については。
「潜在能力は一番高いものがあります。ポテンシャルは、この中では一番高いものがありますね」
-MGCはペースメーカーがつかない。レース展開がどうなるか読みにくい。
「チャンスはありますね。でも暑さに強くて、あとタフさを生かして練習ができているのは、この4人の中では橋本でしょう。橋本、神野あたりじゃないですか」
-予想では(日本記録保持者の)大迫(傑)、(前日本記録保持者の)設楽(悠太)、(18年アジア大会金メダルの)井上(大仁)、(昨年の福岡国際を制した)服部(勇馬)らが強いとも言われているが、4人は加われるか。
「入っていけます。特に夏のレースは何が起こるか分からないので。速さではなく強さでしょうね」