朝乃山が初金星!パワーで鶴竜を圧倒 綱3度目の挑戦で節目の幕内100勝
「大相撲秋場所・5日目」(12日、両国国技館)
西前頭2枚目の朝乃山が横綱鶴竜を寄り切って初撃破し、横綱3度目挑戦で初金星を挙げた。自慢の左上手を取ってパワーで圧倒。全勝の横綱に土を付ける大きな3勝目(2敗)となった。鶴竜の初日からの連勝は4で止まった。10勝で大関復帰を目指す関脇貴景勝は北勝富士との熱戦を制して無傷5連勝。全勝は貴景勝と平幕隠岐の海の2人が並ぶ。
朝乃山が堂々たる力相撲で攻め切った。鶴竜に下手を許し、振られたが動じない。圧力で押し戻して伝家の宝刀、左上手をがっちり取った。強引な投げも残して、上手に万力を込め体を寄せ、横綱に土俵を割らせた。
7秒9の満点星で節目の幕内通算100勝。「前に出て横綱相手に自分の相撲が取れて勝ったのが良かった」と、うなずいた。前日は遠藤を追い込みながら土俵際で逆転された。「しっかり腰が割れて取り切れた」と詰めも隙を許さなかった。
3度目の横綱戦で初金星。先場所、初対戦した鶴竜には完敗しており、「先場所は自分の相撲が取れなかった。思い切っていこうと決めていた」と気持ちの勝利だった。
夏場所、“聖地”両国国技館で初優勝した。トランプ米大統領から「アメリカ合衆国大統領杯」を授与された“世界のAsanoyama”は貫禄。初めて座布団が乱舞する光景にも「気にしてなかった」と落ち着き払っていた。
世代交代が加速する中、数少ない四つ相撲の本格派。同じ右四つの白鵬は「どこか似ている」と後継者候補に指名。新時代の先頭を行く貴景勝も「スケールが大きい」と実力を認めている。
初めて横綱、大関上位と総当たりした先場所は7勝8敗。「弱いやつはやらないと」と夏巡業ではほぼ毎日土俵に上がり稽古を積んだ。優勝経験+稽古量で“富山の人間山脈”の成長は止まらない。
金星は「うれしい」と言う一方、平幕にいつまでも立ち止まる気はない。三役、その上のみを見据える大器。最後の金星にしたいか?の問いに「そう持って行きたい」と力を込めた。