“逃げ切りの紀平”なるか、昨季はわずか1度 トリプルアクセル成功で首位発進
「フィギュアスケート・オータムクラシック」(12日、オークビル)
女子ショートプログラム(SP)が行われ、今季初戦の紀平梨花(17)=関大KFSC=は冒頭の3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)を成功させるなどまとめ、78・18点で首位発進した。2位は元世界女王のエフゲニア・メドベージェワ(19)=ロシア=で75・14点だった。
オフ期間での成長を演技冒頭から発揮した。青にゴールドの刺しゅうが入った衣装で登場した紀平は、演技最初のトリプルアクセルをなめらかな着氷で成功。出来栄え点(GOE)「3・04点」を引き出した。GOEで3点台は、昨季NHK杯フリーの1度だけ。過去最高クラスのジャンプをいきなり披露した。
シニアデビューだった昨季、紀平はトリプルアクセルを代名詞に世界のトップまで駆け上がった。SPではそのアクセルの安定感を欠きながらも、フリーで巻き返し、昨年11月のNHK杯、GPフランス杯、今年2月の四大陸選手権、チャレンジカップと、次々と逆転優勝を成し遂げた。大技とともに果敢に挑む姿から「逆転の紀平」とも呼ばれた。
一方、SPでトリプルアクセルを完璧に決め首位発進したのは昨季10戦中昨年12月のGPファイナル、今年4月の世界国別対抗戦の2試合のみ(11月の西日本選手権はやや着氷が乱れGOEは0・00)。そのまま優勝したのは12月のGPファイナルだけだ。
「自分の本気を出していい演技をしたい」と話していたシーズン初戦。フリーでは「現地で浜田先生の判断で決める」としながらも、4回転サルコー挑戦に前向きな姿勢を見せていた。進化を示し、「逃げ切りの紀平」襲名なるか。女子フリーは14日早朝に行われる。