瀬古氏 MGC視聴率合計40パーセントに期待「マラソン復活の兆し見えている」
東京五輪の男女マラソン代表選考会「グランドチャンピオンシップ(MGC)」(15日、明治神宮外苑発着、男子8時50分、女子9時10分スタート)を控えた14日、大会創設に尽力してきた日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(63)らが都内で取材に応じた。これまでの複数選考会から選手を選ぶ慣例を壊し、ついに実現した“ガチンコ対決”。かつてマラソンの“視聴率男”として名をはせた瀬古リーダーはマラソン人気復活に期待を寄せた。
ついに実現したドリームレースを、マラソン人気復活への起爆剤とする。MGC創設に尽力してきた瀬古リーダーは、大会を翌日に控え「これだけトップ選手が集まって一緒に走ることはなかった。我々の時代よりもすごいことになっている」と、胸を張った。テレビでは男子をTBS、20分遅れてスタートする女子をNHKが担当し、異例の同時中継。「視聴率が気になるよね。男女合わせたら40パーセント近くいくんじゃないか」と、胸を弾ませた。
マラソンはかつて国民的関心事だった。瀬古氏が出場した84年ロサンゼルス五輪の男子マラソンは関東の平均視聴率で48・8パーセントを記録。世界最強と言われた瀬古氏の出るレースは国内選考会でも35~40パーセントをマークしていた。ただ、高橋尚子、野口みずきの両五輪金メダリストがけん引した女子マラソンの最盛期を最後に日本マラソン界は低迷期に入り、視聴率も低迷してきた。それだけに今大会に懸かる期待は大きい。
これまでは複数の選考会から選手を選出する中で、さまざまな騒動が起こってきた。これまでの慣例を打ち破って、実現したMGCシステムの中で男子では日本記録も誕生。MGC本番でも好レースが期待される。「復活の足がかりはつかんだ。ただ、五輪でメダルを獲って、初めて復活といえる。兆しは見えている」と、うなずいた。