羽生、今季初戦V 夢の3連覇へ初めて語った…22年北京五輪「出る」
「フィギュアスケート・オータム・クラシック」(14日、オークビル)
男子は冬季五輪2連覇で今季初戦の羽生結弦(24)=ANA=がショートプログラム(SP)に続いて1位となるフリー180・67点、合計279・05点で優勝した。4回転はループとサルコーで着氷が乱れて2度のトーループとも回転不足を取られたが、ステップとスピンで全て最高難度のレベル4を並べるなどして得点を積み上げた。終了後には3連覇が懸かる22年北京五輪について「(そのシーズンまで)そのままやっていたら出る」と語り、出場を視野に入れていることを初めて明かした。
夢の続きを見られるかもしれない。ソチ、平昌五輪王者で、フィギュアスケート男子で66年ぶりに五輪連覇の偉業を果たした羽生。これまで「考えられない」と、語ろうとしなかった2022年北京五輪について、ついに口を開いた。
「(そのシーズンまで)そのままやっていたら出る」
3連覇が懸かる北京五輪。「明言はできないが、常に強い自分でありつつ、その先にそれ(五輪)があったらと思う」などと話し、その大舞台への出場を視野に入れていることを初めて明かした。
また「負けるぐらいだったら辞めろって思っている。ぶざまな姿は絶対見せたくない」と引き際についても言及。「今は本当に(世界初となる)4回転半ジャンプをやるためにスケートをしてるなって思う。そのために生きている」と強い思いを口にした。
24歳。残りの競技生活がそう長くはないと自覚している。昨夏は「競技者として終盤に差し掛かってきてるという感覚があるか」との問いに「あります」と答えていた。当時も語った唯一無二のモチベーションこそクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)。その夢も「あとは(片足で)降りるだけ」と羽生自身が言うように、徐々に形になりつつある。
フリーの4回転5本の構成や4回転ルッツ再投入、今季中のクワッドアクセルの挑戦を見据えながら、演技全体の完成度も求めるこのシーズン。フリーではジャンプでミスが散見され「いいジャンプが跳べてなんぼ。この構成ではクリーンに滑りたかった」と悔いたが、堂々の演技で優勝した。平昌五輪後初戦だった昨季のこの大会に比べて合計点で15・40点も高く、今季初戦としては悪くない。
「勝たないと意味はないが、その上で自分が求めるクオリティーの、自分が求めるジャンプ構成でやりたい」と羽生。五輪の舞台に立つのであれば、さらに強くなった羽生結弦でなければ許されない。確固たる決意で、羽生は日々自身と向き合っていく。