インドネシア代表のリオ・ワイダ サーフィンアジア最上位ならず
「サーフィン・ワールドゲームズ」(15日、木崎浜海岸)
男子決勝が行われ、インドネシア代表のリオ・ワイダ(19)は敗者復活10回戦で敗北し9位となり、アジア最上位で得られる東京五輪出場権を逃した。
母に日本人、父にインドネシア人を持ち、5歳でバリに移住してからサーフィンを始めた。最初は怖がったが、今ではサーフィンを真っすぐに愛する青年に成長した。
五輪出場権の懸かる今大会では5回戦で敗者復活戦に回ると、そこから安定した波乗りで勝ち進んだ。敗者復活8回戦で日本勢唯一のプロ最高峰チャンピオンシップ・ツアー(CT)選手の五十嵐カノア(21)=木下グループ=に勝利。憧れの相手だけに「ノリノリになった」と、続く9回戦も1位通過した。
アジア最上位争いは最終日の敗者復活10回戦で、村上舜(22)との同組対決に持ち込まれた。3人中上位2人が勝ち抜けるため、この試合で勝敗が確実に決まるわけではなかったが、今大会最大の難所に互いに緊張。村上は「意識して寝れなかった」。ワイダは「もっと頑張ろう」と気合を入れて臨んだ。
運命の試合が始まると、序盤から3選手とも高得点を並べた。その後村上がリードする展開に。ワイダも2位につけたが、残り5分ほどで、ポルトガル選手に逆転され3位になった。最後に大技を決め点数を伸ばそうとするも「テークオフした時に考えてしまった」とライディングが詰まり逆転かなわず。3位になり敗退した。
夢に見た五輪出場権は手に入れられなかったが、試合後には熱戦を繰り広げた村上と抱き合った。「『オリンピックおめでとう』とか言った。舜君友達なので」。若き青年たちの友情が、世界大会の中で輝いた。
来年のWG(5月9日開幕)は五輪出場権を得るラストチャンス。「この大会で結構いい所まで来られた。来年もっと頑張ったら上に行けると思う」と諦めない。ワイダの挑戦はこれからだ。