東京五輪の男女マラソン代表選考会「グランドチャンピオンシップ」（ＭＧＣ）で２位までに入り、代表に内定した男子の中村匠吾（２７）＝富士通、服部勇馬（２５）＝トヨタ自動車、女子の前田穂南（２３）＝天満屋、鈴木亜由子（２７）＝日本郵政グループ＝が熱戦から一夜明けた１６日、都内で会見した。１年後の自国開催の夢舞台。男子は１９９２年バルセロナ五輪銀メダルの森下広一以来２８年ぶり、女子は２００４年アテネ五輪金メダルの野口みずき以来１６年ぶりのメダル取りに向け、それぞれプランを思い描いた。

　前田は前日からのテレビ出演で３時間ほどの睡眠。その注目度の高さから「緊張感と覚悟が出てきた」と表情を引き締め、「自国開催の重圧に負けないように自分のペースで走っていきたい」と、残り一年へ思いをはせた。

　五輪本番とほぼ同じコースを走ったＭＧＣでは、２０キロから一人旅という圧勝の陰で課題も見つけた。３０キロ以降は、そこまで上げてきていたラップタイムを徐々に落とし、表情も苦しくなった。「後半にペースが落ちた。ペースを上げてそのまま押していけたらよかった」と反省し、最後の坂では「思うように体が動かなかった」と悔いが残った。

　今後は、「フィジカル系のトレーニングで体幹を鍛えたい」と、昨春から始めた体幹トレーニングを継続して厳しい坂上りでもぶれない軸をつくる。また、１６６センチ、４６キロの細身の体は「いっぱい食べるけどやせてしまう」というのが悩み。筋力アップのため増量も視野に入れている。