日本陸連“誤内定”ミス認め全面謝罪、強化委員長「想定甘かった」
日本陸上連盟は18日、都内で会見を開き、男子十種競技の右代啓祐(33)=国士舘ク=が内定していた世界選手権(27日開幕、カタール・ドーハ)の日本代表を取り消される見通しとなったことを受け、代表選考過程におけるミスを認めて謝罪した。日本陸連は7月に右代の代表入りを正式発表していたが、国際陸連からエントリーを認められなかったという。
会見に臨んだ日本陸連の麻場一徳強化委員長は「右代選手に対してあのようなつらい思いをさせてしまい、この場を借りて謝らせていただきます」と陳謝し、「(代表選考の)条項に不備があったと認めたい」と述べた。
右代は日本陸連の代表内定条件である4月のアジア選手権と6月の日本選手権で優勝し、7月1日に代表入りが発表されていたが、世界選手権の参加標準記録は突破していなかった。国際陸連の規定では、各大陸選手権王者は参加標準記録突破に相当するとしているが、全体エントリー人数などによって出場を認めない可能性を記しており、これに該当する形となった。
右代は代表に決まっていなければ、この約3カ月間で参加標準記録に挑戦することもできた。日本陸連はエントリーが承認されない可能性もある中で“誤内定”を与えてしまったことになる。麻場強化委員長は「正直、右代選手はアジア選手権王者である前にリオ五輪代表でもあり、この条項で引っかかることは想定していなかった。簡単に言えば想定が甘かった」と全面的に不備を認めた。
右代は2016年リオ五輪では日本選手団の旗手も務めた実力者。屈強な肉体を持ち「和製ヘラクレス」の異名を持つ。17日には自身のツイッターで「出発10日前に突然内定取り消しの連絡が入ったみたいです。直接の説明も陸連からもらってない」と明かし、「こんな直前はあんまりです。この3カ月、世界陸上の標準記録突破を目指すこともできました。もうチャンスがないんです」と悲痛なコメントを出していた。