「重量挙げ・世界選手権」（１９日、パタヤ）

　女子４９キロ級でエントリー重量下位のＢ組に出場した三宅宏実（３３）＝いちご＝が途中棄権した。左足に痛みを抱えており、スナッチの２回目で７５キロに成功したが、ジャークには挑戦しなかった。同級の高橋いぶき（金沢学院大大学院）は、ジャークで３回とも失敗して失格となった。

　最大の目標、東京五輪を考えて大事を取った。三宅は５月に負傷した右足をかばって練習した結果、左足の付け根に痛みが出て本格的な練習ができないままだったという。スナッチの２回目は痛みで表情をゆがめながらも７５キロを持ち上げたが「ぎりぎりの感じだった」と明かした。この後はバーベルを握らなかった。

　「最後まで諦めたくない」と痛み止めの注射を打ち、ジャークに備えてはいた。しかしスナッチからジャークに移行する際の休憩時間が１０分から５分に急きょ短縮される誤算もあり、体を整えられなかった。

　７月の東京五輪テスト大会も棄権。最近は満足できる結果を残せていない。世界では若手が台頭し、状況は厳しさを増すばかりだが、３３歳のベテランは出場を目指す東京五輪に向けて「一発逆転にかけたい。ハッピーエンドで終わりたい」と前を向いた。