川井梨紗子が金「何かを感じてくれれば」敗者復活に回る妹・友香子に“エール”
「レスリング・世界選手権兼東京五輪予選」(19日、ヌルスルタン)
女子は東京五輪代表に決まった57キロ級の川井梨紗子(24)=ジャパンビバレッジ=が決勝で昨年覇者の栄寧寧(中国)を9-6で下し、3度目の世界一に輝いた。今大会の日本勢で3個目の金メダル。76キロ級の皆川博恵(クリナップ)は決勝で敗れて銀メダルだった。62キロ級の川井友香子(至学館大)、68キロ級の土性沙羅(東新住建)はともに3回戦で敗れ、20日の敗者復活戦に回った。銅メダルを獲得すれば五輪代表に決定する。男子フリースタイルの65キロ級で昨年王者の乙黒拓斗(山梨学院大)は3回戦で敗れ、敗者復活戦に回った。57キロ級で高橋侑希(ALSOK)は4回戦で敗退した。
川井梨が敗者復活に回った妹の川井友に金メダルでエールを送った。「優勝する姿を見せて友香子を勇気づけたいと思った。私の試合を見て何かを感じてくれれば」。敗者復活を勝ち上がれば東京五輪、負ければ国内の代表争いに逆戻り。岐路に立つ妹にとって、これ以上ないメッセージだ。
前回女王の栄寧寧との決勝は出足からエンジン全開だった。強烈なタックルで何度もテークダウンを奪い、序盤で9-0と大きくリード。この時点で大勢は決した。
鬼気迫る試合には、妹の敗戦以外にも理由があった。大会前、女子チームのまとめ役としてキャプテンを任された。「ここまで女子は金メダルが取れていなかった。日本チームのため、妹のため、そして自分自身のため。どうしても勝ちたかった」。すべての重圧を受け止め、エネルギーに変えていた。
これで世界選手権は3連覇。すっかり恒例となったウイニングランを終え、「何度優勝しても国旗を持って走るのは気持ちいい」。頼もしいキャプテンとして、妹も、女子レスリングも引っ張っていく。