陸上男子１００メートルで１８年アジア大会銅メダリストの山県亮太（２７）＝セイコー＝が２２日、復帰戦に予定していた同日の全日本実業団対抗選手権（大阪・ヤンマースタジアム長居）の男子２００メートルを欠場すると発表した。朝から行っていたウオーミングアップ中に右ハムストリングに違和感を覚え、けがのリスクを考慮して決断したという。

　治療のため会場を離れる際に取材に応じた山県は「ハムストリングがちょっと怪しいので。これから体作りもしっかりしていかないといけないと思っているので、ここでけがのリスクをとれないと思った」と説明。「調子がいいときに比べたら体もできていないし、スピードも出ていないので、決していい状態とはいえないけど、肺気胸をやっているときは一時期背中が痛くて練習があまりできないときもあった。そのときに比べたら練習もできている。これから作り上げていきたい」と話した。

　これで今季は予定していた全試合が終了。昨季は日本人無敗で、自己ベストタイの１０秒００をマークし、アジア大会で銅メダルを獲得するなど充実のシーズンを送ったが、今季は思うようにタイムが伸びず。６月中旬には気胸を発症し、同下旬の日本選手権を欠場するなど、不完全燃焼に終わった。「そういうときもあるかなって思う」と山県。「原因があると思うので、来年同じような不本意な結果にならないようにしっかりやりたい」と五輪シーズンを見据えた。