世界陸上出場の右代啓祐“誤内定”騒動に恨み言なし「日本陸連に感謝」
陸上の十種競技で、国際陸連から世界選手権(27日開幕・ドーハ)へのエントリーが大会直前になって認められた右代啓祐(33)=国士舘クラブ=が25日、羽田空港からカタールへの出発前に取材に応じた。今月17日に日本陸連の“代表誤内定問題”が発覚してから初の公の場となったが、恨み言は皆無。「世間を騒がせることになったが、自分としては最高の準備をした。自分の人生でも一番の試合にできるように自信を持って挑みたい」とすがすがしく語った。
右代は今季、国際陸連が設定した世界選手権の参加標準記録を突破していなかったが、日本陸連の代表選考基準にのっとり4月のアジア選手権で優勝、6月の日本選手権でも優勝したことで世界選手権代表への内定を得た。
ところが、今月に入って国際陸連からエントリーを認められていないことが発覚し、右代は17日に自身のツイッターで告白。18日には日本陸連の麻場一徳強化委員長が会見し「(選考に)不備があった」と“誤内定”だったと認めて謝罪する事態に発展していた。
日本陸連は大会直前までエントリーに入れるよう働きかけるとしていたが、20日になって国際陸連からインビテーション(招待枠)でのエントリーが認められたことが発表された。
右代は“誤内定”を知った時は1日休んだというものの、その後は腐らずに練習を継続していたという。「世界陸連が決めることなので、自分がそもそも標準記録を突破していればよかった」と話し、「日本陸連の皆さまに尽力していただいたおかげで出られるようになったので感謝しています」と笑顔で語った。
今回が5度目の世界陸上で、来夏の東京五輪にもつながる大舞台。初の入賞を目指す右代は「今回こういうきっかけがあって、自分自身は競技が好きなんだとわかったし、何が何でも目標を達成しないと辞められない。世界陸上への思いは過去5回でも1番強い」と心境を明かした。