サニブラウン 堂々V宣言「死力尽くせば見えてくる」世界陸上へ向け抱負
「陸上・世界選手権」(27日開幕、ドーハ)
27日の開幕日に競技がスタートする男子100メートル、男子走り幅跳び、女子マラソンに出場する日本代表がドーハ市内で会見した。注目の男子100メートルは日本記録保持者のサニブラウン・ハキーム(20)=米フロリダ大=を筆頭に、前日本記録保持者の桐生祥秀(23)=日本生命、小池祐貴(24)=ANA=の“9秒台トリオ”が出席。日本人初のファイナリストの期待が懸かる中、サニブラウンは堂々と優勝を狙うと宣言した。
これまで夢に見ることすら遠く、口にすることすらはばかられた2文字を、ついに公言する日本人が現れた。桐生、小池とともに出席した会見。その中央でサニブラウンは力強く言ってのけた。
「調子はボチボチ。あとはやるだけ。“優勝”する勢いでやっていけたら」。日本初のファイナリストのさらにその先、世界の頂すら視野に入れた。
サニブラウン自身、準決勝敗退に終わった2年前のロンドン大会で“人類最速の男”ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が引退。その後の覇権争いは混迷を極める。今大会のエントリー選手中、今季9秒台をマークしているのは、9秒81のコールマン(米国)を筆頭に15人で、9秒97のサニブラウンは11番目。五輪翌年だった2年前よりも「レベルは一段階上がっている」と認める。それでも「タイムでいえば、2、3人が抜けているけど、正直、決勝のラインに立てば、何が起こるか分からない。死力を尽くせば、誰だって優勝が見えてくる」と勝算を見いだした。
調整は順調そのもの。日中40度を超えるドーハの暑さも「フロリダもこのぐらい暑いので」と、笑った。2年前に史上最年少で決勝進出を果たした200メートルを回避してまでも、勝負に出た100メートル。自らが“最速”と信じて、スタートを切る。