大相撲で付け人を暴行し２度目の不祥事を起こした十両貴ノ富士（２２）＝千賀ノ浦＝が２５日、適切な措置を求めスポーツ庁に上申書を提出した。懲戒処分は２６日の日本相撲協会理事会で決定するが、暴行は２度目で、引退勧告が出される方向。上申書では師匠の千賀ノ浦親方（元小結隆三杉）らから引退を勧告されたと主張。２４日には協会に寛大な処分を求め要望書を出した。代理人弁護士を通じ問題提起する手法は昨秋、協会を退職した先代師匠の元貴乃花親方（元横綱）と同様。２７日には文科省で会見を予定し、内容次第では協会との“全面対決”が危惧される。

　貴ノ富士の代理人を務めるすずかけ法律事務所の石井麦生弁護士は「本人は相撲を続けたい一心。協会は厳しい処分で問題を終わりにしようとしている。それでは問題の解決にならない。処分は受けるが（引退勧告は）重すぎる」と訴えた。

　同弁護士の説明によれば協会への要望書は２４日の夕方、千賀ノ浦親方を通さずに提出した。提出を知った親方が貴ノ富士と話し引退を勧告した、という。

　「親方は『懲戒解雇になれば退職金も出ないし、履歴にも傷が付く。（引退届を）出すんなら早く出しなさい、今日中だぞ』と。本人は引退勧告と受け止めた」と説明した。

　処分に不満があった場合、協会との訴訟に関しては含みをもたせ「本人は相撲を続けたいだけだから、まだ本人とそこまでの話はしていない。でも本人が望むのであれば」と否定はしなかった。