【朝原宣治の目】サニブラウン選手の10秒09は評価できるタイム
「陸上・世界選手権」(27日、ドーハ)
男子100メートルでは“9秒台トリオ”サニブラウン・ハキーム(20)=米フロリダ大、桐生祥秀(23)=日本生命、小池祐貴(24)=住友電工=の3人が準決勝進出を決めた。
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予選ですが、桐生選手は加速もスムーズにいっていたし、特段、失敗した走りではありませんでした。同組にブレーク選手やシセ選手など9秒台を持つすごいメンバーがそろっていましたが、どこか冷静な印象を受けました。順位は組で4着でしたが、タイム的には悪くありません。
小池選手は中盤が伸びなかったですね。いつも練習でやっているような、精密にしっかりと足を運ぶような走りができませんでした。
9秒台を持っているし、自分にも周りからも期待はあります。初めての世界選手権の男子100メートルですし、いろいろと雑音をシャットアウトするのも難しいと思います。前日の練習も一番長くやっていた印象で、最後まで入念に調整しているように見えました。
サニブラウン選手はリアクションタイムが0秒175と相変わらず遅いのですが、焦らず自信をもって走っていました。過去の世界選手権のイメージもあったことでしょう。
予選で9秒台は1人だけでした。全体的にあまり良くなかった中、10秒09だったサニブラウン選手は全体で8番目でしたし評価できるタイムと言えます。(08年北京五輪男子400メートルリレー銀メダリスト、「NOBY T&F CLUB」主宰)